映画を見直すっていいですね。

昔に観た映画を見直して、感想の違いを述べます。

「ボーダーライン(原題:Sicario)」(2015)を見直す。

f:id:wabisabi0704:20210801035530j:plain

(c)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved

 

 人生初記事です。「ボーダーライン」について述べます。
ほぼネタバレはないですが、一応ネタバレ注意です。

 

何かの映画で「映画は見直すと違う映画に見える。映画が変わったわけじゃないから、

俺が変わったんだ。」的なセリフがあったようななかったような。
ブルース・ウィリスが発していたような気がします。

 

「ボーダーライン」という映画、簡単にいうとメキシコの麻薬カルテル

アメリカの麻薬戦争の話。その戦争をFBIであるケイトの視点で読み解いていく流れです。

 

はじめてみた時は公開から1,2年後でしたでしょうか。社会人なりたてでした。
恥ずかしながらまだ学生気分で仕事の何たるかを理解していませんでした。

 

【はじめて見た時の感想】
〇「プラダを着た悪魔」に出てきた不遇な女先輩が出てる。
〇戦争物、米軍物の映画は好きな方だから理解できるかと思いきや、

 誰がどこの組織所属で何してるのか分からない。
〇話全体を通しての緊張感はすごいけど、銃撃シーンが少ない。

 

記憶によるとこんな感じ。

鑑賞後はケイトさん、かわいそうすぎるという気持ちが一番でした。
当時は銃撃シーンが大好きでそれ以外のシーンは退屈というとらえ方をしていました。
今ではもったいない映画の楽しみ方だったと思います。

 

【昨日みた時の感想】
〇マットさんかっこよすぎ。マットさんみたいになりたい。
〇FBIの扱いひど過ぎだと思ってたけど、最低限の配慮はしてる。
 むしろマット、アレハンドロ、米軍みんな優しいまである。
〇作戦実行までの過程のシーンが良い。
 会議やブリーフィングでのやり取りやコミュニケーションがかっこいい。

 

大きな変化として登場人物が意思疎通を図るシーンに興味が持てるようになりました。
今のセリフはどんな意図があって発せられたのか。
目線や表情で考えを伝えるのがうますぎる。
間の取り方一つでその場の雰囲気が説明できてしまうんだなぁ。

そんなことに面白みを感じながら見ていました。

 

特にマットが剛柔併せ持った態度で上手く人を懐柔したり、けん制してる姿に良さを

覚えました。

服装が超ラフだったり、専用機で緊張もせず横になって寝たり、

ブリーフィングの場で冗談を交えたりしながらも、然るべき時は冷徹になる使い分けが

うまいなと感じます。演技だって忘れるほど。俳優さんて、ほんとにすごいんですね。

 

はじめて見た時以降にマット役のジョシュ・ブローリン氏の出演作品をいくつか見たこと

も感想の変化に寄与してるかもしれません。
ノーカントリー」、「オンリーザブレイブ」、「デッドプール2」など。
めちゃくちゃかっこいいですよね。

好きな俳優補正が入ってから見直したので、注目して演技を見ていたのかもしれません。

 

また、はじめて見たころは前述のとおり仕事の何たるかを理解しておらず、打合せや交渉

の場でも最低限の役割をこなすのに精いっぱいでした。
しかし、今日(こんにち)では打合せなどでうまく意思疎通を図ることの重要性を理解

して、議論を望んだ方向に持っていくためのテクニックに興味を持つようになりました。
自身が日常的に気にするポイントが変化したのだと思います。
映画が変わったのではなく、私が変わったんですね。

 

そんなわけで以前に見た時よりもより楽しめるシーンが多くなり、見直してみてよかった

という次第でした。むしろ楽しめないシーンがない。
そのおかげで深夜から明け方にかけてずっと画面にかじりつくことになりました。

 

作品の主題はもっと他のところにあると思います。
麻薬カルテルの恐ろしさ、米国の越権的な行為の是非、復讐の連鎖など。
ぜひそういう観点で論じてるブログも見てほしいです。